健康

2025.06.17 09:15

「夏風邪は馬鹿が引く」は嘘。冬の風邪より怖いその正体

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「夏風邪は馬鹿が引く」なんて昔から言われている。冬に引く風邪を夏に引くとは、よほど間抜けな証拠だという意味だ。ところがどっこい、夏風邪は冬風邪とはまったく別物、しかも冬風邪より強力ときている。だから冬と同じ考え方では防ぎきれない。夏には夏の対策がある。

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大正製薬は20代以上の男女1000人を対象に、「夏風邪予防で意識していること」について調査を行った。それによると、予防対策として、十分な睡眠、水分補給、冷房を効かせすぎないようにする、食事を抜かないなど、規則正しい生活習慣の維持をあげる人が多い。

だが、夏風邪予防としてとくに意識して摂取している食品や栄養があるかと尋ねると、9割以上の人が「とくにない」と答えた。調査を監修した虎の門病院血液科医員の久住英二医師は、夏風邪予防には「栄養と生活リズムの見直し」が重要だと話す。

冬の風邪はインフルエンザウイルスやライノウイルスが原因で、咳、喉の痛み、鼻水、発熱など、おもに呼吸器に症状が出る。空気が乾燥しているので、おもに飛沫感染で広がっていく。それに対して夏の風邪は、アデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスといった高温多湿の環境で生きられるウイルスがおもな原因で、呼吸器系の症状に加えて、腹痛や下痢がともなう。これは飛沫ではなく、ドアノブや電車の吊革などに触れることで経口感染する。「夏風邪と冬風邪では、体の反応や対処の仕方がまったく違うため、同じように扱ってはいけません」と久住医師は警告する。

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文 = 金井哲夫

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