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2025.07.02 10:30

テックの力で酷暑を乗り切れ シーンで選ぶ3つの最新クーリングガジェット

2025年の暑い夏に備えるため、導入を検討すべき3つのクーリングガジェットを中心に効果を検証する

2025年の暑い夏に備えるため、導入を検討すべき3つのクーリングガジェットを中心に効果を検証する

今年はいきなりトップスピードで夏本番が到来したようだ。気象庁の発表によると、7月から9月まで全国の平均気温は例年よりも高くなるという。熱中症対策は喫緊の課題だ。ビジネスパーソンも、健康を維持しながら仕事のパフォーマンスを下げないために適切な暑熱対策を立てたい。

筆者はテックライターという職業柄、暑さを和らげるためのクーリングガジェットを日ごろから取材している。ビジネスシーンで活用することも念頭に置きながら、いま注目されている3つのウェアラブルタイプのクーリングガジェットをタイプ別に分類しながら紹介してみたい。

ビジネスシーンと相性が良いソニーのレオンポケット

ソニーのREON POCKET(レオンポケット)シリーズは、ウェアラブルタイプのクーリングガジェットだ。半導体素子のペルチェモジュールに電圧をかけると、一方の側面が吸熱(冷却)する特性を活かして、金属のプレートを首に直接あてて涼を取る。専用ネックバンドを使えばデバイスを正確な位置に固定できるので、服装の制約を受けないところが魅力だ。

首もとに装着して、ペルチェ素子の吸熱効果により冷感を得るソニーのレオンポケットシリーズ。今年の五月に最上位モデルの「REON POCKET PRO」が発売された
首もとに装着して、ペルチェ素子の吸熱効果により冷感を得るソニーのレオンポケットシリーズ。今年の五月に最上位モデルの「REON POCKET PRO」が発売された

なお、ペルチェモジュールは駆動時時に吸熱する側の反対側が発熱する。この熱を逃がすために、レオンポケットは本体に空冷ファンを内蔵しているのだが、コンパクトな本体の中には充電式のバッテリーも内蔵する。「レオンポケットだけ」を身に着ければ良いことからも、ビジネスパーソンが普段使いしやすいクーリングガジェットとして、筆者はおすすめする。

冷感レベルなどは専用のモバイルアプリから段階的に変えられる。または本体に内蔵する複数のセンサーと独自のソフトウェアにより、高い温度環境下での冷却パフォーマンスを自動で最大化してくれる「SMART COOL」機能もある。接触部分の皮膚が「冷たさ慣れ」してしまうと、本体の冷感レベルをいくら高くしても涼しく感じなくなるものだ。これを防ぐため、スマート動作時には波打つようにオン・オフの緩急を自動で付けてくれるアルゴリズムも搭載する。

今年の5月20日には、レオンポケットのメーカーであるソニーサーモテクノロジーが新製品「REON POCKET PRO」を発売した。価格は税込2万7500円から。従来のモデルから冷却面積・吸熱性能・駆動時間を最大2倍にパワーアップした上位モデルだ。本体は従来のモデルより大きくなったが、35度以上の暑い環境ではパワーの差が歴然と表れる。ただ、ジャケットを羽織らず、夏もののシャツと肌着だけの軽装時に装着すると、本体の膨らみがやや目立つ。もっとレオンポケットをさりげなく着こなしたい方、あるいは首が細い女性の方には小さめの「REON POCKET 5」を勧めたい。価格は税込1万9800円。なお、本体の質量はプロが250g前後、ファイブが155g前後だ。

パソコンのマウスなみにコンパクトな「REON POCKET 5」も発売中
パソコンのマウスなみにコンパクトな「REON POCKET 5」も発売中

PROモデルは1度フルに充電すれば、ほぼ1日中バッテリーが持つ。オフィスや自宅など室内では、USBケーブルを接続すれば給電しながら使える。汗や水滴が付着した時にも、なるべく早めに拭き取れば清潔に保てる。洗濯のケアが要らない点では、アパレルタイプのクーリングガジェットよりも手間がかからない。毎夏繰り返し使えるし、寒い冬に活躍する温感(WARM)機能も備えていることから、レオンポケットのコスパはかなり良いと言える。

一方で、本機で直接冷感が得られる箇所が首もとのピンポイントに限られる。アウトドアレジャーを楽しむ時など、より広範囲に身体をクーリングしたい方は、本機とファン付きベストを併用するといいかもしれない。

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編集=安井克至

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