経営・戦略

2025.06.09 15:00

英フィンテックWiseが米国で二重上場へ、企業の「ロンドン離れ」鮮明に

Koshiro K / Shutterstock.com

Koshiro K / Shutterstock.com

英国の国際送金大手Wise(ワイズ)は6月5日、米国で株式上場を計画していると発表した。近年、主要な上場先を米国に変更する企業が増加し、地位低下に悩むロンドン市場にとっては新たな打撃となりそうだ。

ワイズは、ロンドン証券取引所での上場を維持しつつ、米国を主要な上場市場とする予定。この動きは、投資をより多く呼び込み、企業の成長を後押しすることを目的としたものだ。同社の共同創業者兼CEOのクリスト・カールマンは、米国での上場により同社の認知度を高め、「世界で最も深く、最も流動性の高い資本市場」へのアクセスが可能になると述べている。

「当社は二重上場を行うことで、英国に拠点を置く株主にも引き続き効果的に対応できる。英国は金融サービスとテクノロジーにおいて世界最高レベルの人材がいる場所であり、当社は英国および世界における成長を支えるために、ここでのプレゼンスに向けて投資を続けていく」とカールマンは語った。

英財務省の報道官は、「ワイズは引き続き英国に投資を行うと表明している。英国は欧州随一の投資ハブであり、上場ルールの刷新や未公開企業向けの新たな株式市場の創設を通じて、この国が企業にとって創業・成長・上場に最適な場所となるよう改革を進めている」と語った。

次ページ > 英国政府による市場活性化の取り組みが効果を上げていない

編集=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事