マーケティング

2025.06.11 09:15

なぜ「エッホエッホ」は58億回見られたのか。画像ミームに学ぶ共感の作り方

gettyimages/ Jacob Wackerhausen

gettyimages/ Jacob Wackerhausen

株式会社TBWA HAKUHODOのマーケティング組織、「65dB TOKYO」は、X(旧Twitter)とTikTokに投稿された約20億件のデータをもとに、2025年上半期のSNSトレンドを分析したレポート「2025年上半期SNSトレンド徹底解剖」を公開した。

【調査概要】
調査実施時期:2025年5月
調査実施対象期間:2025年1月1日~2025年5月31日
対象:主要プラットフォームSNS(X、TikTok)
モニタリング投稿数:約20億投稿
分析方法:ソーシャルリスニング(ツール名:Brand Watch、TikTok Creative Center)
調査主体:TBWA HAKUHODO「65dB TOKYO」


調査は2025年1月1日~5月31日の期間に実施され、BrandwatchおよびTikTok Creative Centerによるソーシャルリスニングを通じて収集・解析された投稿をベースに構成されている。分析では発話量(メンション数)と「いいね」数を軸に、話題の広がりと共感度をマッピングした「注目トレンドマップ」が作成された。

ゴールデントレンドに浮かび上がった3大テーマ

同マップの中で右上に配置された「ゴールデントレンド」ゾーンには多くのユーザーに届き、かつ共感を呼んだトピックが集められている。2025年上半期においては、「画像ミーム」「AI」「企業とユーザーのコミュニケーション」この3つが代表的なトレンドとして浮かび上がった。このうち本調査では特に「画像ミーム」の拡散傾向に焦点を当てて紹介されている。

画像ミーム「エッホエッホ」に見る共感の構造

もっとも話題となったミームのひとつが「エッホエッホ」である。メンフクロウのヒナが走っているように見える画像に擬音を添えた投稿がSNS上で爆発的に拡散され、推定58億インプレッション以上を記録したとされている。

このようなミームの拡散には、「共感の共有」や「ネタとしての気軽さ」といった要素が作用しており、炎上リスクが低い点もユーザーに支持された理由のひとつだとされている。

他にも、画像とひと言を組み合わせた投稿のなかで話題を呼んだ例として、以下が挙げられた。

・「情けない写真ください」一般ユーザーが投稿した一文が大きな反響を呼び、動物や料理など多ジャンルに派生。関連投稿は1.8万件以上にのぼる。

・「育児ママあるある祭り」映画の感情的なシーンを切り取り、育児のあるあるネタを重ねたミーム。のちには日常のネタにも広がり、約9.9万件以上の投稿が確認された。

こうした画像ミームに共通するのは、自分の気持ちを言葉で表現するのではなく、「他者の投稿に感情を重ねる」という行動様式の変化だ。調査ではこれを「発信するより、共感したい・されたい」というSNS行動の転換点として紹介している。

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文=福島はるみ

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