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2025.06.08 08:00

「おざなり」と「なおざり」の違いとは?意味と正しい使い分け、ビジネスシーンでの使い方を例文付きで徹底解説

「おざなり」の意味とは?

その場しのぎで誠意がない対応

「おざなり」は、目の前のことに真剣に取り組まず、その場しのぎでいい加減に済ませる態度を指す言葉です。語源は江戸時代の芝居用語とされ、「一応は手を付けるが、誠意や丁寧さが欠けている」というニュアンスが強調されます。

ビジネスでは、上司や顧客への報告・回答を適当に済ませる様子を「おざなり」と表現できます。実際、細部まで精査せずにまとめたレポートや、深く検討せずに口約束だけで対応する場面などが典型例と言えるでしょう。


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「なおざり」の意味とは?

放置して構わないままにする様子

「なおざり」は、物事や人を放置してしまう、または軽視して顧みない態度を指します。語源には諸説ありますが、「存在を十分に考慮せずに放り出す」ニュアンスが中心にあります。

たとえば、重要な課題を後回しにし続け、気づけば全く手つかずのままになっている──こうした状態が「なおざり」に当てはまります。ビジネスの現場では、不具合の連絡が来ているのに処理せずに放置しているなどが代表的な例となるでしょう。

「おざなり」と「なおざり」の違い

ポイントは「適当にやる」か「放置する」か

一見似ているようで両者は異なり、「おざなり」=適当に処理、「なおざり」=放置という図式で区別できます。
・「おざなり」:とりあえず表面的に対応する(適当に済ませる)
・「なおざり」:関心を持たず放っておく(放置する)

つまり「おざなり」は少なくとも手を付けるアクションがある点で、「なおざり」はそもそも対応しない(怠慢・放置)点で異なります。

ビジネスシーンでの使い方

顧客対応での注意点

クレームや問い合わせがあった時、「おざなり」な応対をしてしまうと顧客満足度が下がります。一方で「なおざり」にする=放置するのはさらに深刻な問題を招きかねません。
「おざなり」は連絡自体は返すが誠意に欠け、「なおざり」はそもそも連絡さえしないイメージ。いずれもビジネスとして信頼を損ねる結果になるため、適切な対応が求められます。

プロジェクト進行での例

プロジェクト管理では、タスクを「おざなり」にすると品質が保てません。「なおざり」にしてしまうと進捗が止まり、最悪の場合は期日を過ぎても何も動かないという事態を引き起こします。適度な検証やコミュニケーションを続け、タスクを無視しないことが重要です。

「おざなり」と「なおざり」を使った例文

「おざなり」を使った例文

  • 「会議中の質問に対しておざなりな返答をしてしまい、上司の信頼を損ねました。」
  • 「報告書にデータを貼っただけではおざなりな印象を与えるので、必ず分析コメントも付けてください。」

「なおざり」を使った例文

  • 「顧客からの要望メールをなおざりにしていたせいで、トラブルが大きくなってしまった。」
  • 「当初の設計ミスをなおざりにした結果、製品リリース直前に大幅な修正を迫られました。」

誤用を防ぐポイント

定義を意識して使う

「おざなり」はとりあえず形だけ
「なおざり」は無関心・放置
この公式を意識しておけば混同するリスクは下がります。たとえ両方とも仕事に対する怠慢を示す言葉でも、意味をきちんと区別しておくことで、正確なコミュニケーションが可能になります。

文脈に応じた使い分け

ビジネス現場で「おざなり」は“不十分ながらも対応している”場合、「なおざり」は“完全に無視・放置している”場合と表現すると伝わりやすいです。メールや会話の中で、誤用すると思わぬ誤解を生むので注意が必要です。


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まとめ

「おざなり」と「なおざり」は、どちらも物事を大切に扱っていない状況を示す言葉ですが、“適当に済ませるか”“放ったままにするか”で意味が分かれます。

  • 「おざなり」:とりあえず形だけ対応し、本気の取り組みや誠意が欠ける
  • 「なおざり」:そもそも放っておいたり無関心で、事実上の未対応

ビジネスでは誤用されがちですが、両者を正しく使い分けることで、適切な言葉遣いができるようになります。クレーム対応やプロジェクト管理などで同様のシチュエーションがあれば、この区別を意識しながら円滑なコミュニケーションを図りましょう。

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